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睨んだつもりなんてなかった。むしろ、視線を合わせないようにしていた。でももしかしたら、自然とそうしていたのかもしれない。
あの時の周りの人たちの様子は、今でも思い出して吐きそうになる。彼女を慰める男たち、私になんて声を掛けていいか分からず戸惑う女たち。……軽蔑するかのようにこっちを見てくる元カレ。
でも、自分が好きだったサークルをばらばらにさせたくなかった。私は謝り、その後も平気なふりをし続けた。
次の部長を決めるまで私はサークルにいつづけ、四年生になったと同時に一切行かなくなった。
「……いや、つらっっっ!!」
久保田さんがのけぞって叫んだ。隣のテーブルの人が不思議そうにこちらを見たので、慌てる。
「久保田さん、リアクションが大きいです!」
「いやだって辛すぎるでしょ、なんっだそれ!! 死ねばいい、二人とも死ねばいい!」
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