あなたとこれからも

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 今日は待ちに待った休日。透哉さんと約束をしていた私は、朝から彼と出かけていた。二人でいろんな不動産屋を巡り、物件を探してきたのだ。  森さんと三田さんが会社からいなくなり、平穏が訪れたわけだが、透哉さんは安心するには早い、と言っていた。森さんは特に、私への逆恨みが心配されるので、まずは引っ越しをするところから始めようと提案されたのだ。一度泊めてしまったので、家がばれているからだ。目的のためなら手段を選ばない彼女が、いずれ何かしてくる可能性もある。  森さんは地方に住んでいた親が飛んできて、彼女を凄い勢いで叱ったそうな。森さんとは似ても似つかない、生真面目そうなご両親だった。今は森さんを引きずる勢いで実家に帰らせ、閉じ込めているらしい。示談交渉も持ち掛けられたが、これまでされた嫌がらせも説明し、拒否させてもらった。本人に謝罪する気持ちはないようだし、金額の問題ではないのだ。  ご両親はしっかり者のようで森さんを見はっているらしいけれど、いつどうなるか分からないので、すぐに引っ越しをする。透哉さんの提案に、私は素直に従った。
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