1人が本棚に入れています
本棚に追加
のはずなのに、やっぱり夜になるんじゃん!!
再び玄関を踏んだ時には、七時を回っていた。母さんは既に帰宅しており、夕飯まで作り終えていた。保冷バックから冷蔵庫へ、母さんが食材を引っ越しさせる。
「いつもありがとー。ちゃんとメモ通りに買ってくれて助かるわ」
「大変だったし、めっちゃ疲れた!」
僕と父さんは、自動的に夕飯の準備を引き継いだ。温め直したり、箸を並べたりする。
「父さんは楽しかったけどなぁ」
「何がだよ!」
声だけを飛ばしあっていると、母さんは可笑しそうに笑った。
本当になんで、こんな人と結婚したのか僕には分からないよ、母さん。
本日の買い物も散々だった。今、思い出しても『なんでそうなるの?』と突っ込まずにはいられなくなる。
まず、自転車に乗った人の落とし物を、届けようとしてコケるところから開始。て言うか、むしろ父さんが家の鍵を落としてハラハラ。僕が見てなかったらマジでどうすんだ。
結局、追い付かなくてご丁寧に交番へ回り道。やっとの思いで元の道に戻ったら、今度は調査か何かに捕まってインタビュー開始。
断ろうって言ったけれど、少しだけと言ってご丁寧に受け答えてた。珍回答で困らせてたけど。つい徐々に距離とったわ。
スーパーでも、ブロッコリーとカリフラワーを間違えて持ってくるし、レジでお金は足りなくなるし。で、結局僕がATMに走らされるし。本当に散々だった。
帰りも迷子を見つけて、なぜか母親の捜索を開始するし。重い荷物を持ってるのにお構いなしだし。そこで一緒に迷子になりかけてたから、僕が軌道修正させたなんてオチまでつく始末。
最初のコメントを投稿しよう!