4人が本棚に入れています
本棚に追加
予告されてたプロポーズ
昨夜
あなたから愛されて
今朝
あなたを見送った
家まで送り届けてくれたけど
私はそのまま出かけよう
身体に余韻があるかぎり
胸で響く恋の音
飽きた生活音にまみれて
その音を失いたくない
手頃なカフェでまったり
ミルク多めのコーヒー
そのあと公園で鳩と遊び
飛び去る姿に自由を見た
夜になるまで時間つぶし
晴れた空に余韻が絡み合う
それでもできるだけ
遠回りして家へ帰るよ
飽きた生活音に飲まれる
日常使いの自分を見ないように
シャワーで切り替えて
洋服を着替えたら
待ち合わせの場所は
さっき鳩と遊んでた公園
雑踏のすきまを縫って
薔薇の花束を抱えたあなたが
近づいてくる
予告されてたプロポーズ
大切なその言葉を聞くため
飽きた生活音は遠ざけてた
今日はずっと
あなたの声を聞いていたい
胸の中で反響していく
恋の音が高鳴って
ぽつぽつと街灯が
きらめきを与えてくれる
どんな未来を描いても
そこにいるのはあなたと私
だからゆっくり少しずつ
飽きた苗字と決別していく
照れながら紡がれたプロポーズ
この先
二人が奏でていく音を
まだ見ぬ子どもに
飽きた生活音だと思ってほしい
そうしたらそこには
その子なりの恋の音がある
そうしたらそこには
新しいきらめきの音楽がある
最初のコメントを投稿しよう!