成瀬さんの異変

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成瀬さんの異変

それから数日… そう言えば最近、成瀬さんの姿を全く見ていない。 ここ何日か、部屋の明かりもつかないから留守なんだろうか… しかし家を出たのを見た記憶はないし、部屋の中に人影を感じることも無い。 夜中に出かけて行ったのかもしれないが、洗濯物は干しっぱなしだし少々気にかかる。 いつもよりカーテンを開けて様子を伺うと、黒い影がベットの上で動くのが見える。 確認したいけど出来ないもどかしさに、カーテンだけでは足りず窓を開けて中の様子を伺おうとするが、ずっと閉めっぱなしだったせいかなかなか窓が開かない。 力ずくで思いっきり引っ張ったところ、開いた勢いで思いもよらぬ大きな音が響き渡ってしまった。 すると向こう側のカーテンが開きうっすら人影ができると、窓がカチャッと開いて成瀬さんが顔を出した。 「あっ…す、すいません…うるさかった?ですよね…」 ううん、と言いたげに首を横に振るだけの成瀬さんの顔は真っ青で目は虚ろ… もしや最中…?と思ったが周りに彼らしき人はいないようで、瞬時に頭が切り替わると慌てて身を乗り出して話しかけた。 「…っ、もしかして、具合悪い!?」 「ぅん…」 「えっ!?あっ、どおしよう…あの、彼は?彼呼んだら?」 俺の問いかけに横に首を振るだけの成瀬さん。 呼べない事情でもあるんだろうか… 「水…水飲みたい…」 「あ…あぁ!わかったっ!買ってくるからっ!」 俺は身なりなど気にせず財布と鍵だけ持って、慌てて部屋を飛び出しコンビニに向かった。 水を買って…そうだ、なんか食べ物…薬もいるか?とか色々考えてありとあらゆるものを買い漁り、急いで向かいのアパートへと走り出した。
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