成瀬さんの部屋

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成瀬さんの部屋

アパートに戻ると窓は閉められ中の様子は伺えなかったが、直接部屋に向かえば鍵は開いていた為、急いで中に入った。 「成瀬さんっ…」 ベットの上でぐったりと横たわる成瀬さんのそばに駆け寄り、とりあえず水を取り出し手渡した。 成瀬さんはゆっくりと起き上がってベットに座り、水を飲もうとするが手に力が入らないのか蓋が開けられない様子。 すぐ様水を奪い取り、蓋を開けて口元にペットボトルを咥えさせ、そおっと流し込むも入り切らなかった水が口の端から流れ落ちる。 具合が悪いのに申し訳ないけど、その姿がエロ過ぎて俺は思わず目を逸らした。 「あっ、ごめっ…」 「…っ、飲ませて…」 「あ…うん、コップのがいいか?」 「いらない…口でちょうだい…っ」 「へっ…!?」 「早…くっ…」 「わ、わかった////」 急かされるもんだから急いで水を口に含み、成瀬さんの肩に手を置き唇にそっと触れると、小さく開いたお口に水を流し込む。 ゴクリと喉を鳴らしながら飲み込むが、やっぱり口の端から飲みきれなかった水が垂れて妖艶に光る。 半開きになった口からペロリと舌を唇に這わせ、俺のTシャツの襟元を引っ張って顔が近付くと、這わせた舌を俺の口内に侵入させ舌を絡ませてきた。 うつろな表情で俺を求める成瀬さんに、俺は中腰になりベットのシーツを掴み必死に欲求を抑えようとした。 「んぅ…っ!ん、ちょ…っ!?」 「ん…っ、はぁ、はぁ…っ、ねぇ…なんでもっと早く来てくれなかったの…?」 「や、あのっ、気が付かなかったし…っ、その…っ」 「いつも見てたんじゃん…俺の事…」 「…っ、みっ、みて…た……けど…っ」 「遅っせぇよ」 「ぅ、ごめん」 「介抱しろ…」 そう言って切れ長の目に睨まれると、全身がゾワゾワっと粟立った。 俺を見上げ手を広げる成瀬さんの目線に合わせ、ベットの下に肘立ちで待ち構えれば俺の首に手を回し、口元を光らせ虚ろな表情で近ずいてくる成瀬さん。 またキスされるっ、と俺は固まってしまい目を瞑ったのに、触れると思っていた唇には何も触れず肩に重く体重がのしかかった。 はっ、と目を開け状況を確認すると、力が抜けたように俺に寄りかかり、はぁはぁと繰り返される浅い呼吸が俺の耳元を掠める。 慌てて行き場を失っていた両腕で成瀬さんを抱え込むと、全体重が俺にかかってバランスを崩し床に倒れ込んだ。 「うわっ!大丈夫!?」 「んぅ…ダメ…動けない…」 「と、と、とにかくベットに戻ろ」 トントンとリズム良く成瀬さんの背中をさすり、体を起こそうとした時、ムクムクと起き上がってきた俺のモノが成瀬さんのモノをかすめてお互いにビクっと反応してしまった。 「ぁ…っ////」 「はぁ…っ、なんだよ…感じてんの?」 「やっ、ちがっ…////」 「俺と…シたいんだろ…?」 「っ…うぅ…////」 「佐藤さん…可愛い…」 「えっ!?な、なんで…!?」 「佐藤さんだって…俺の名前…知ってんじゃん…」 「…っ、それはっ」 「はぁ…わりぃ…今は…やっぱ…無理…」 「わっ、わかってる…///」 色んな事が突然過ぎて聞きたい事も沢山あるけど、一先ず混乱する頭を切りかえ成瀬さんを介抱する事だけに専念する。 成瀬さんをベットに戻し、汗だくの額に手を当てればそれなりに熱くて、買ってきた冷えピタを取り出すがまずは汗か…と辺りを見回す。 「えっと、タオル…」 「適当に使ってぇ…」 「あ、うん」 脱衣所に行き適当なタオルを濡らして、ついでに買ってきた食べ物や飲み物を冷蔵庫に入れた。 勝手に覗き込んだら悪いとは思ったけど、案の定冷蔵庫の中は見事に空っぽで、勇気をだして来てよかったと心から思った。
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