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取りあえず、腹を空かせた管狐に食べ物を与えることにした。もともと空腹に耐えかねて、祠の供え物に手を出したらしい。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
謝りながら、イトはもりもりと供物を食べていく。団子も果物も野菜も、瞬く間に小さな身体へ吸い込まれてしまう。
「式神ってのは、そんなに食わないといけないのか?」
「わかりません。でも、とてもお腹が空くのです。お腹が空くと、力が出ないのです。お仕事ができないのです」
あちこちの祠からモクリコクリたちが持ってきた食べ物を、あれよあれよと平らげる。妖怪たちの呆れを他所に、自分と同じ長さのキュウリを身体の中に収めてしまう。
その日は、マルにイトを任せた。二匹は同じ祠に籠って眠った。
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