🌕️に

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🌕️に

 . 「和夜は何の為に鳴くの?」  夜羽ちゃんは、よくこの言葉をボクにたずねて来た。  題名は知らないあの歌に、“なぜなくの”とあるからだ。 『ナンノ タメニ ?』  考えたことないな……。  今がすっごく幸せだから……。  考え込むボク……。  ボクの考えが伝わったのか、夜羽ちゃんはそんなボクを見て、ニコッと笑った。 「いつか、その理由が和夜にも見つかるよ」  それからしばらくした時だった。  夜羽ちゃんがいきなりボクに会いに来なくなったんだ……。  きっと忙しいのだろう。  だから、夜羽ちゃんが来るのをずっと待ったボク。  でも、毎日いくら待っても夜羽ちゃんはボクに会いに来てはくれなかった。  ボクは心配になって、夜羽ちゃんを探した。  そして、何日もかけて夜羽ちゃんを見つけた。  夜羽ちゃんは、1枚の小さな紙の中に入っていた。 『ヨウチャン ヨウチャン』  でも、返事がない。  笑ってくれない。 『ヨウチャン……?』  “お寺“、”お墓”、そして、“黒い服”を着た人たち……。  “死”、ボクの頭にその言葉が浮かぶ。  ボクは、その言葉を信じたくなかった。  信じたくなくて、ボクは自分の羽が動かなくなるまで大空を飛んで、夜羽ちゃんを探し続けた。  でも、いくら探しても夜羽ちゃんはやっぱり見つからなくて、ボクは自分の勘を信じるしかなかった。  ボクの目には、出るはずのない涙が流れていた。 .
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