リンゴ色のシャンパン

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「私もこれがいい。めちゃおいしいし」アリサが甲高い声を上げた。  それは僕も払わなければならないのだろうか、と少し不安でいると僕の視線に気づいたヤギ男が、 「大丈夫っすよ、俺が出しますから。先払いでいいか?」  ヤギ男が僕に笑いかけながら言って、財布から五万円を取り出し、ユリに渡した。 「これで大丈夫です。安心してください」 「すみません、ありがとうございます」 「いえいえ」  ユリがシャンパンをあけて、アリサがグラスを準備していく。僕の前にもグラスが置かれたので、「いいんですか?」とヤギ男に訊くと、 「もちろんです」 「いや、申し訳ないです、そんな」 「大丈夫です、大丈夫です、気になさらずに」 「そうそう、気にせずに。飲もうよ」ユリが言った。「飲もう飲もう」アリサも続いた。 「じゃあ、お言葉に甘えて」僕はグラスに手を伸ばした。ユリがシャンパンを注いでくれた。全員のグラスが満たされると、ヤギ男が、 「じゃあ、乾杯!」 「かんぱーい」
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