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今度は何を命じられるだろう。何で遊ばれるだろう。咎人は無事ではいられないことを覚悟して、レイモンドの言葉に構える。
レイモンドが口を開く。
さあ、いつでも来い。咎人は覚悟を決めた。胸の内でボクサーポーズを取る自分自身を想像する。
「屋敷に招待しよう、その子」
先制攻撃は空振りしたようだ。何もない空間を通り過ぎた拳は、ただ空を切る。敵の不在という予想外の事態に、拍子抜けした身体は体勢を崩して地面に倒れてしまった。
咎人とジョナサンは「はぁ?」と嘆声を漏らした。
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