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かくして僕たちは、翌朝、再び長時間列車に揺られて、例の海に近い街の駅に降り立った。
そして同じようにボランティアの案内所に向かう。
入り口に奏絵がいたが、おはようございます、と機械的に言い合ってそのまま彼女とは目も合わさずにすれ違った。
「美奈実ーっ」
彼女の声がした。
その友人の名前一つとっても、彼女があの板橋奏絵である確証を深めるだけで、僕は余計に虚しくなるのだった。
なるべく無心に活動しようと僕は心に決めたが、大山には「今日は具合悪そうやな」と言われてしまう始末だった。
確かに、具合というか気分は良くない。むしろ最悪だ。
こんなことなら出てくる前に体調不良といって休めば良かったかもしれない。
約束だから出てきたまでだが、そういう自分の機転の利かなさにはほとほと呆れてしまう。
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