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店の前で席案内を待っている客もいて、その睨みをきかせた鋭い目つきがまたプレッシャーなのだが、下げものや席案内よりは料理提供やレジ打ちが優先とされている。
僕は僕なりにその手順を守っているつもりだが、いかんせん視野が狭いのだろう。店長の怒号やキリエさんの指図で、たびたび修正を図るはめとなる。
そんなふうにまさに目の回るような忙しさだが、トップスピードで対応しなくてはならない満席状態がいつまでも続くわけではない。
三四時間もしたら、ひと息入れられるようになる。
客足が落ち着くと、店長はそそくさとトイレに行ってしまった。
その店長がいなくなった隙に、キリエさんに詫びをいれる。
盆に箸をつけ忘れて、彼女をその席に走らせてしまったり、あとは何かともたついていたことで申し訳なく思っていたのである。
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