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『はじめまして!  じゃないよね。  お久しぶりです。  私のこと、おぼえてますか?』  僕はきっかり三秒、固まってしまった。 (誰?)  おそらく「KI」というのはイニシャルなのだろうが、本気で見当がつかない。  今のところ、このアプリで登録されている人間は、高校のときの飯田を始めとする元同級生たちと、大学に上がって半年のうちに知り合った同じ専攻の同期たち、あとはこのバイト先関係、そして同居している両親と一個上の兄貴くらいだ。  学内でもバイト先でも一貫して”陰キャ”で通っている僕は、それほど交友関係は広くないし、その代わりに深いわけでもない。  けど、この女性は僕のことを知っているようだ。  
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