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その頃には、彼女とはそれほど深く知り合ったり、心からの交流とまでは行ってなかったことを冷静に振り返るようになった。
(まだ何も始まっていなかったんよ)
そう自分に言い聞かせ、僕は良くも悪くも徐々に落ち着きを取り戻していった。
それにつれて、今年も夏が終わってしまったという感慨を強くした。
やがて、とうとう夏休み最後の週末となったが、僕は同じ専攻の同期たちに誘われてボランティア活動に参加することにした。
普段それほど親しいわけでもない中野、桜田、大山の男子三人組に、数合わせで誘われた体だった。
長期休暇期間中の特定のボランティアは、大学の単位取得が認定されるとあって、出不精でもある僕は初めこそ渋っていたが、それを知って逆に二つ返事で請け負った。
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