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 内容は、北陸地方で起きた災害跡地の生活支援だった。  今夏の大型台風による影響で一部インフラ等に損傷が発生して、その復旧が遅れているらしい。  班ごとに分かれて年配者の世帯を回り、買い物を代行したり、川まで水を汲みに行く作業が主だった。  当地にやってきたボランティアに仕事を割り振る案内所が、駅のそばに設置されていた。時節柄大学生の参加者が多かったが、その世話役を地元の大学生たちが引き受けているようだった。  盆明け到来の台風のあとに開所されたという。それからおよそ一か月経ってこなれてきたためか、その世話役ぶりは非常に手際が良く、板についていた。  手狭な案内所の一番奥の壁に、大きな掲示板があり、それには、ボランティア募集の内容が書かれたカード大の付箋が一面に貼られていた。  
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