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昼間は同行の仲間もいる手前、ボランティア先での作業に専念して夕方、待ち合わせるタイミングで彼女に思い切って声を掛けることにした。
あの”山下”ではないが、僕は僕で彼女とつながりを持ちたい。たぶん、面と向かって誠実に訴えかけたら、これも縁だと彼女が受け入れてくれるかもしれない。
もし駄目なら、これで僕自身もあきらめがつくはずだから、試さない手はない。
僕は思いがけないチャンスに、胸を震わせ息を弾ませながら、その時が来るのを待ちわびながら、出先で請け負った作業をこなしていった。
かくして陽も大きく傾き、続々と出払っていたボランティア学生たちが帰着してくる。
各々が、ボランティア関係者であることを示す腕章を返却し、退出手続きを済ませていた。
僕と中野は、同行の仲間である桜田と大山を待っているが、近場からきた様子の学生たちは個々に引き上げていった。
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