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僕は掲示板全体を見回した。
ペアである中野も同じく、一面に貼られた募集内容に見入っている。
「あのう、お仕事まだ決めてないですか」
後ろから女性の低い声がして、僕たちは振り向いた。
浅黒い肌をした背の高い彼女に、桜田が「ええ、まだ……」と答える。
そのとき僕は、彼女の名札に「沢村美奈実」とあるのを見落とさなかった。
まだであるなら頼みたいことがあるという。
「買い出しを手伝ってほしいんです。案内所に出入りする人に休憩がてら飲み物を提供したくて」
近くのコンビニかスーパーでペットボトル飲料を買うのに、重たいから男手二人くらいあると大変助かるのだと彼女はいった。
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