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そうしているうちにも、客席ではテーブルのコール音が連続して鳴っている。
キリエさんはさらさらとした短めの金髪を振り振り、くるくるとホールを足早に歩いて回っているが、こういうときの僕はただ焦るだけで、まだ忙しさに合わせて速く動くことができない。
小さな店だから、スタッフ一人一人の比重がとても重いのだが、自分はいつも足を引っ張る方に回っているような気がしてならない。
未だにこういうラッシュには慌ててしまい、料理をこぼしたり、会計ミスをして、周りに迷惑を掛け、店長の怒りを買い、余計な仕事を増やしてしまうことも多々ある。
僕と仕事が合っていないのだろう。
大学に入るまで人並みに勉強はできても、このざまだ。
ここへ来るたびに僕は自己嫌悪する。
近いうちに辞めて新しいアルバイト先を探そうかと思い始めていた。
それが、結局店にとっても一番に違いない。
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