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ニヤニヤしながら一ノ瀬クンが話し始めた。
「店についてさ篠田が乾杯の音頭をって柚香に頼んで、
俺へのお祝いの言葉言ってくれた。なんか感激した」
私何話したんだろう?
相手は感激してんのに、覚えていない。
「と思ったとたんにさ、ビールから始まって焼酎 ワイン
いろいろ飲みだした。確かに篠田達がどうぞ どうぞとか言って
無茶苦茶お酌したからね」
篠田クンは味方の様で、実は敵だったのか。
私はもう何か言う気力を失っていた。
「で、俺の隣で一人で話し始めた訳」
まさかあの話したのかな…
ストレートに聞く訳にも行かない。
話してなかったら
「墓穴」ってやつだよね。
店でのコトを思い出そうと努力してみる。
だめだ 全然何を話したかが、思い出せない。
「彼氏に振られたって言ってたよ」
一ノ瀬クンが極々普通に言った。
やっちゃった。
馬鹿だ なんでよりにも寄って一ノ瀬クンに
話したんだろう。
それはもう3か月位前の話しで、でもその時はちょっと辛くて、
明日香に色々聞いてもらうつもりがお互い時間が合わなくて、
いつの間にか3か月経ってしまっていた。
もう失恋の痛手は消えかけていたけど、取り敢えず明日香に報告、
みたいな女子会をする予定だった。
もしかして私は一ノ瀬クンに慰めて欲しかったのかな?
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