本文

3/12
前へ
/12ページ
次へ
 はっとして目を覚ました。 「やべえっ。なんで俺、寝てるんだ!?」  自分の部屋の、ベッドの上。とっくに昇った太陽がまぶしい光を投げている。  慌てて机の上のデジタル時計に目をやると、8/31 10:17 と表示されていた。 「八月三十一日? 十時? 壊れてんのか!?」  そばの棚の上にあったスマホを取り、画面をつけると、同じ日時が表示された。 「こっちも八月三十一日? どうなってんだ?」  窓の外には陽が高く昇っていて、今日が登校日なら大遅刻になっている時間だ。それなのに親がまったく起こしに来ないのはおかしい。  リビングにいた両親に今日は何日かと尋ねると、八月三十一日だという答えが返ってきた。  俺は必死で笑いを堪えながら自分の部屋に戻り、叫んだ。 「八月三十一日の朝に戻ったんだ! 九月一日は来なかった! 夏休み続行だ、ひゃっほう!!」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加