本文

6/12
前へ
/12ページ
次へ
 二十二時くらいには全部終わったので、あとは部屋でジュースを飲みながらだらだらとマンガを読んで過ごした。  そろそろ寝ようかと思って時計を見ると、8/31 23:57 と表示されていた。  振り返ってみれば、充実した夏休みだったなと思う。充実した夏休みだったということにしておく。最終日だけは。  マンガを閉じてどこかにいる神様に祈る。 「明日の準備は万全だ、九月一日来い。夏休み終われ。さあ」  そしてデジタル時計の表示が 9/1 00:00 に切り替わった。 ***  はっとして目を覚ました。 「やべえっ。遅刻だ!」  自分の部屋の、ベッドの上。とっくに昇った太陽がまぶしい光を投げている。  慌てて机の上のデジタル時計に目をやると、8/31 10:17 と表示されていた。 「おいふざけんじゃねえぞ! またかよ! もう宿題なんてやらねえからな。絶対にやらねえからな」  四回目の八月三十一日の朝、俺は軽くキレた。 「どこの誰がこんなことしやがったのか知らねえが、次また八月三十一日にしやがったら殴るからな、おい」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加