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夏の終わりにかき氷
「夏が終わる前にどうしてもかき氷が食べたい」
そう言い出したのは、6才年上の彼氏だった。
どうせならかき氷専門店に行きたいね、ってクチコミサイト調べまくって、たどり着いたこのお店。
気持ちいい海風が吹き抜けるテラス席に座った私たちの前に運ばれてきたのは。
「うわー、すごい!」
うちのスーパーで扱ってる、カップ入りのかき氷とは全然違うボリュームの、めちゃくちゃ映えるかき氷。
「な……なんてアーティスティックなかき氷なんだ……」
「あー、ほんとにしろくまみたい。かーわーいーいーっ!」
リア充アピールするなら、すかさずSNSアップ用の写真を撮影するところだけど、そういうのはあまり好きじゃない。
それに、おいしいものは、おいしいうちに食べるのが、私と彼の暗黙のルール。
「いただきまーす」
スプーンでかき氷とフルーツをすくうと、しろくまの顔の一部が欠けた。
うっ……、かわいいのにごめん。
でも、おいしくいただくから許してね。
「んーっ、おいしーっ!」
「屋外で食べるかき氷、最高……」
甘いミルク味の氷は、口あたりふわっふわ。
フルーツの甘酸っぱさとの相乗効果で、暑さに負けそうな身体にしみわたる。
普段1日中空調の効いた店内にいるせいか、めっきり汗をかけなくなった気がする。
高校くらいまでは、部活中ぽたぽたたれるくらい汗かいてたはずなんだけどな。
発汗能力落ちてるのかな?
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