地の底から、あるいは地の上、咽び泣く

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 魔王は悩んでいた。  一体どうすべきなのか、暫く考えたがわからない。  地上の完全征服は目前ではある。  だからこそ魔王は考えをまとめておく必要があるというのに、どちらが正しいのか全くわからなかった。  にも関わらず、その思慮を邪魔するかのように部下Aが朝の定期報告を律儀に行いに来るものだから、魔王は少しうんざりする。  地上をほぼ制圧している現状では重大な報告事項など滅多になく、ただただ形式的に行う報告など不要と思えてならない。  本当に必要なことに時間を割くべきであり、無駄に行う業務ほど無駄なものはないのだ。  そんな無意味なことよりも、魔王はこの疑問の答えを模索すべく集中していたい。 「魔王様、ご機嫌(うるわ)しく」  別に麗しくはない。  しかしそんな思いを知らない部下Aは、いつものように(うやうや)しく一礼し、いつものごとく報告を始めるようとする。  (たま)らず魔王は制止した。
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