Kiwiが教えてくれたコト

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 帰りの新幹線。席に座りながら、今回の旅について、どこまで佐々木課長の想定通りだったのかと思いを馳せる。  暗闇の中のキウイを見て何かを感じるだろう、というところまでは佐々木課長が想像していてもおかしくない。でもまさか、あんな夢を見るところまでは想像してないだろうなぁ。いや、想像していたら、それはそれで怖い笑。  まぁでも、いずれにせよ、佐々木課長のお陰で私は自分の心の秘密に触れることができた訳だ。明日、出社したら、ちゃんとお礼をしよう。  551蓬莱の豚まん(チルド)の手提げ袋を目で確認する。その横には私のトートバッグ。その中から、キウイが顔を覗かせている。  キウイの頭を少しヨシヨシしてから、窓の外を眺める。自分は明るい未来に向けて進んでいるのかもしれない。そんな感覚を味わいながら、私は、流れていく美しい景色を楽しんだ。 おわり
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