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何度かそれを繰り返しているうちに、手応えを感じた。掴んだ糸は柔らかく、そして氷のように冷たかった。
「紫乃!」
何度も何度も触れたこの感触を、間違えるわけがない。叫ぶようにして名前を呼んだ。今、オレが掴んでいるのは蜘蛛の糸なんかじゃない。間違いなくアイツの手だ。グッと掴んでいると、自分の手までもが氷のように冷たくなっていくのを感じた。
「幸せになってね」
微かに、紫乃の声が聞こえた。その瞬間、ガクッと全身の力が抜けた。
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