夏の終わり、雨の匂い

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 商店街を抜けると、しばらく歩く。なだらかな道から、坂道を登ると見えてきた景色は、桜並木。今は夏の陽射しを浴びて、緑の葉を揺らしていた。  突然、アイツがサヨナラも言わずにオレの元を去ってから、早いもので一年が経った。慌ただしく日々は過ぎて行くのに、ふたりの時計の針は止まったままだった。  大好きだったひまわりを手向けて、手を合わせる。今だに信じられなくて、車の中のぬいぐるみや装飾もそのままにしていた。もしかしたらふらっと、アイツが帰ってきそうな気がして。
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