〇〇さんの髪型にしてください

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〇〇さんの髪型にしてください

憧れのあの人に近づきたくて髪型を似せようとオーダーする。別に悪いことなどない。美容師たるもの、ベストを尽くしてオーダーに似せて仕上げるだろう。 しかし困ったことに、いつのその人の髪型なのか、美容師側がイメージしているものと一致しているかがわからない。写真でもあれば「あ〜」となるのだが、口頭だとなかなか難しい。 「最近の〇〇さん知ってます?」と言われても、お客様は興味があるから意識して見ているだけで、こちらからするとわからない。 例えばスポーツ選手Aさんに憧れを抱いていたとする。憧れているからAさんのニュースが自然と耳に届いてくる。自ら調べているからだ。しかし全員がAさんに憧れているはずもなく、美容師もそっち側の人間だ。 「昨日のスポーツニュース見てないですか?」と言われても、スポーツニュース自体は見ているもののAさんを特別視してないので、その他大勢のニュースと変わらない。よって、印象に残っていない。 Aさんの過去から現在までの写真を持ってこられてこんな感じで。と言われても、ヘアスタイルに共通点はなく、あるとすれば全てがAさんというだけの人もいる。 それはヘアスタイルがやりたいのではなく、Aさんになりたいのだ。 やりたいヘアスタイルがあるなら、ビジュアル持ってきて貰うと大変助かる。できるできないはそれから話し合おう。
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