大いなる願望~素晴らしくも不平等なこの世界に

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”地球に巨大な隕石でも落ちてくればいいのに” フードパントリーの行列に並び乍ら俺はつくづく思った。 だって暑いのだ。 9月も下旬だというのに、この暑さは一体なんなんだ。 確か何処かの外国人の小説に「暑いから人を殺した」という件りがあった気がするが、それもあながち奇妙な事ではないと俺は思う。 地球温暖化も異常気象も大気汚染も、全ての原因は人間なのだ。 無駄に『知性』を持った人間が、欲望の赴くままに便利な物を作りだし必要無い物まで無駄に便利にして、木を伐採し高く売れる角や毛皮目当てで野性動物を乱獲し、そして絶滅の危機に瀕したり地球が壊れかけた今頃になって、SDGsだなんのと騒いでる。 その一方で核兵器やミサイルを開発して殺し合いをしている国もある。 規模の違いこそあれ、あちこちでだ。 そしてこの国といったら、民主主義を謳い乍ら資本主義という相反する側面の多い制度を掲げ、権力者や金持ちに有利な政策ばかり行っている。 貧乏人は搾取されるばかりだ。 SDGsを叫び乍ら空飛ぶ車なんてもんまで作って、手頃な値段で一般人にも買えるようにだって? それが『夢の車』だなんてぬかしやがる。 地上でだって煽り運転だの高齢者の運転ミスの事故だのが連日のように起きてるのに、空からも車が落ちてきた日にはたまったもんじゃない。 それで地球がいよいよ壊れて住めなくなったら、火星や月に移住だって?
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