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ちょっと隣町に引っ越しするだけでも結構な金が掛かるのに、そんな事が出来るのは結局金持ちや権力者だけだろう。
そんな不公平な制度を変えようと政治家になろうと思っても、供託金やなんだと、結局は金が無ければ選挙に出馬する事さえ出来ない。
その選挙だって、如何に上手い事を言って国民を騙くらかして票を入れてもらうかの人気投票じゃないか。
この国は何も変わらない。
人間の欲望は留まる事を知らず、戦争やテロといった殺し合いも永遠に終わる事は無い。
『平等で平和な世界』なんて有り得ない。永遠に。
だから俺は人類滅亡を願う。
全ての人類が滅びて、野生動物だけのスーパーナチュラルな自然淘汰の世界にリセットされれば、地球もさぞかし綺麗になるだろう。
と、そんな事を思っていた俺に、すぐ前に並んでいた男が振り向いて話し掛けてきた。若い男だ。見たところ、20代前半位だろうか?
「おっさん、俺と同じような事考えてるね」
「えっ?」
「さっきからブツブツ独り言言ってんの、筒抜けなんだけど」
普段は無口な俺だが、最近気が立ってると心の声が口を突いて出てしまう。
それも声量を上手く抑制出来なくなっている。
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