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夏休みの最後の日。
終わるのが嫌で、夏休みの最初の日に戻りたかった。
いつまでも遊んでいたかった。
いつか誰かと行った、夏の終わりの花火大会。
最後の花火が空に消えていくのが名残惜しかった。
ずっと、見ていたかったのに。
夏の最後の思い出にと、キャンプに行った日。
ヒグラシの声が、夕暮れに響いているのを聞いているとなぜだか泣きたいような気持ちになった。
昼間に楽しく騒いでいたのが嘘みたいだった。
遠い記憶の中にある夏の終わりは、どこかさみしい思い出だ。
いつまでも終わって欲しくないような、そんな気持ちにさせる季節。
それが夏だった。
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