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【3】
『和倉 蓮示です。突然ごめん。できれば一度会いたいので連絡ください』
大学時代のクラス名簿を引っ張り出して、彼女の連絡先を確かめてメールを送った。
学生側が自発的に交流のために作ったものだから、携帯番号やメールアドレスも当然載っている。
アドレスが変わっていないことを祈ろう。
不安を抱きながらの送信メールは、とりあえず宛先不明で突き返されることはなかった。
『和倉くん、お久しぶりです。なにか御用ですか?』
翌日、彼女から返信が来て安堵する。
素っ気ない事務的な文面は仕方がない。むしろ恋人時代のままの距離感のほうがおかしいだろ?
何度かやり取りした末にどうにか週末の約束を取り付けて、俺はスマートフォンをベッドに投げた。
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