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「支店長呼んで来て!」
騒ぎに気づいて駆けつけた井上 勇治の小さくとも鋭い声の助け舟。
佐原 亜沙美は微かに顎を引いて承諾を示し一歩後ろに下がった。
相手をこれ以上刺激しないようにさりげなく。
「私、おかしなこと言ってる!?」
背中で聞こえる、苛立ちを隠しきれない女性客の言葉は誰も否定できない。
「すみません、お客様。私が伺いますので──」
「また一から説明しなきゃならないの!?」
「……申し訳ございません。誤解なきようにどうかもう一度」
単なる新人アルバイトの自分が居ても何の役にも立たないのは明白なので、心の中で他のスタッフに手を合わせバックヤードに急いだ。
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