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結婚式は、家族と親しい友人だけの人前式。
披露宴も略式の二次会形式のパーティだ。
ウエディングドレスは、セットのベールやティアラも含めて当然レンタルで済ませる。
そんなことに金を掛ける気は二人ともなかった。結婚指輪だけは普段使いできるため買うつもりでいる。
結婚式にはつきものの「四つのなにか」。
なにか古いもの、は「母に譲られた真珠のネックレス」。
なにか新しいもの、は「ドレス用に買う予定の下着」。
なにか借りたもの、は「姉が結婚式で使ったリングピロー」。
……そして。
──この憂鬱だった気持ちが私の『なにか青いもの』。その意味は反省と一緒に私の中だけに秘めておくわ。
だから、葉音が結婚式で実際に身につける「サムシング」は三つだけ。
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