STEP4

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「ふ〜ん。大丈夫なの? でもテストばっかりは手伝ってあげられないからな〜」 蓉子ちゃんはショートヘアーの長めの前髪を耳にかけると、二番目のお兄さんが作ってくれたというクラブハウスサンドにかぶりついた。いつもながら豪勢なお弁当で羨ましい。うちなんて、たいてい昨日の晩ごはんの残りだもんな。 「あ、でも、一緒に勉強はする? そうだ、うちにおいでよ。明日の土日、どっちかどう?」 「ごめん、難しいかも」 「そっか。なんだかんだ、明里、忙しいもんね」 本当はすごく行きたいけど、二万円のことが解決しない限り、土日は何も入れない方がいい気がする。 バイトするかもしれないし。 それより……さっさと蓉子ちゃんに貸して欲しいと頼めばいいんじゃないかな。 来年度は同じクラスにはなれないと思うけど、修学旅行も蓉子ちゃんが来るなら、行きたい。 そうだよ。事情を話せば、即、貸してくれるはず。 ……でもダメだ、言えない。お母さんの言葉が呪いのように頭にこびりついてるから。 『友だちとのお金の貸し借りは絶対にだめ。かならず友情は終わるから』
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