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その意味がよくわからないうちから、お母さんは愚痴混じりにそう言っていた気がする。
たしかに今なら意味はわかる。
お父さんは貸す側だったけど、友人とはことごとく縁が切れてきた。というか音信不通。
わたしと蓉子ちゃんの仲がそんなふうになるのは嫌だった。
「明里?」
「あ、そうだ、大井くん、がっかりしてなかった? 市川さんが田中くんを好きだって知って」
「あ〜、ね〜。話も出来てなかったから、そもそも向こうは知りもしないんじゃない。ケンゴーの方は大げさに泣いてそうだけど」
「あはは、蓉子ちゃん、あいかわらず大井くんには厳しい」
「違うよ、あいつ見た目ばっかりで好きになるから。それに、あんな裏表女にケンゴーはもったいないーー」
話題を切り替えちゃった時点で、たぶんわたしは放課後あそこに行く覚悟を決めていたのだろう。
遠くの親戚より近くの他人って言うしね。あ、この場合は近くの親友より近くの他人ってことか。
お金だって、春休みまで待ってもらって、アルバイトすればすぐ返せるから。
あ、でも金利とかつくなら絶対借りない。
というか、そんな金貸しみたいなこと……言わないよね?
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