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「ま、あんた友だちいなさそうだから大丈夫か」
「しっ、失礼ね! いるよっ! た、田中くんこそ」友だちいるのかって言いかけて、言葉を飲む。
そういえば、まだ学校から駅までの途中の道で、央崎高生がめっちゃ歩いている。しかも普段からわりと注目の的であろう田中くんと言い合い(?)しているわたしを、通りすがる人たちみんなが見ている気がした。
「おっ、計。女子といるなんて、めずらしいじゃん?」
うわ、さっそく、坂の上から髪色明るめの男子が一人、大股でこっちにやってくる。
「志村」
「え〜? なになに? もしかして、とうとう付き合うことにしたとか? ……って、えっ?」
志村くんとかいう(田中くんのクラスメイトだろうか)友だち?は、わたしを見ると「んんっ??」とさらに凝視し始めた。それこそ頭からつま先まで。
「あ、あ〜、ま、まぁ、意外なタイプだけど、いい子そうだよね」
なんかよくわからないけど……失礼なことを言われた気がする。
「うるさいな。志村、慎重にいきたいから誰にも言わないで欲しいんだ。上手くいったら真っ先に教えるからさ?」
ん?
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