14人が本棚に入れています
本棚に追加
対する田中くんの返事もまるで意味不明なんだけど、そう言って田中くんは志村くんの背中をポンと軽く叩いた。ただ、そうされた志村くんはわたしと田中くんの顔を交互に見てニヤリとする。
「そっか。週明け、楽しみにしてるわ。じゃな〜」
手を振って先に駅へと向かっていく志村くん。
とりあえず仲が良さそうなのはわかった。友だちいるのか聞かないでよかった。
「いまさらだけど、わたしと歩いてていいの? 今みたいに詮索されない?」
駅について電車に乗ってもまだ感じる央崎生の視線にビビりながら田中くんに問いかけると
「嫌なら学校から歩かないよ。べつのところで待ち合わせる」
「ふ、ふーん」ま、そうだよね。
「それにしても、た、大変だね? 毎日こんなジロジロ? いや、チラチラって感じ? 見られるの、嫌だよね」
「……まあね。乗る時間とかにもよるけど」
電車の中での視線は主に女の子たちのものだった。何人かで固まって、でも遠巻きにこちらを見ては何か言ってる。
まあ、なんかキャッキャと喜んでる感じなので悪口ではないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!