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けど、わたしと目があったとたん、彼女たちの空気が変わった……気がする。あれは「何? あの子」「わたし知ってる。あの子玉の輿狙いで告白しまくってるらしいよ」「え〜⁉︎何それ、変なの〜」とか言ってるのかも。
もちろん話してる声までこっちに聞こえてるわけじゃない。ただの被害妄想なんだけどさ。
「おい? ここで乗り換えだろ?」
声をかけられ、あわてて一緒に降りる。
そうだ、ここから先は央崎生はほとんどいなくなるんだった。少しホッとする。
「ここでいっか」
スタスタと先を行く田中くんにただ付いていくと、改札を出てすぐの、駅ナカに唯一あるファストフード店に入っていった。
「あ、あの?」
「何? もしかして用事ある? 一時間もかからないと思うんだけど、無理?」
「あー、だ、大丈夫」煇が帰ってくる五時までなら、いいか。
「ちょっと待ってて。五分くらい」
ところがお互いドリンクを注文して席に着いてすぐ、なぜか田中くんは店を出て行った。
な、何? なんなんだろう。
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