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STEP5
「な、何言ってるの⁉︎」
彼女になる? 田中くんの?
とにかく全く意味がわからない。
「あー、卒業までは割に合わないよな。いいや、忘れて。とりあえず、当面の間、彼女になってくれれば」
人のこと、誰彼かまわず告白するとか非難しておきながら、自分は何なの?
お金と引き換えに彼女になれとか、正気じゃない。
言葉より先に首をブンブン振って拒絶していた。
「あ、言い忘れてた。偽のね」
「に……せ?」
「そう。とりあえず学校にいる間だけでいいから」
「学校にいる間だけ?」
今一つ要領を得なくて聞き返すと、「まだわかんねえのかよ」という感じでため息をつかれた。え? 私が悪いの?
「つまり、学校では俺と付き合ってることにしといて欲しい」
「いやいやいや、無理無理無理! どうして、わたし⁉︎」
彼女のフリをしろというのはわかったけど、それがどうしてわたしなの?
「なぜって……」
田中くんがふいにわたしをじいいっっと見つめてきた。気づけばこっちに身を乗り出してきて……顔近くない⁉︎
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