STEP5

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う〜わ〜、それってつまり、たいていの女子は自分を好きになる前提の言葉だよね。しかも心底迷惑そうな顔で言ってるし。 リアルでそんなこと言う人初めて見た……ちょっと引くかも。 わたしの引き気味の顔に気づいたのか、田中くんの手がパッと離れた。 「べつに難しいことは頼んでないと思うんだけど」 「だ、だったら、田中くんと付き合いたいって人いっぱいいるだろうし、その中の誰かを彼女にすればいいじゃん」 「嫌だ」即答された。 「中学のとき、少しだけ『彼女』ってのがいたけど……メールは五分おき、夜は必ず電話。毎週末会えないと浮気してるんじゃないかって疑われるし」 「それは、かなり極端だと思うけど」 好き過ぎて相手を束縛してしまう人のことは、たしかに聞いたことはある。 ただ、わたしはお付き合いってものをしたことがないから、恋人同士が日にどれだけやりとりするのかなんてわからない。 でも、わたしもそれは嫌だなぁ。 「耐えらんなくて、すぐ別れた。それ以外も色々あって……とにかく今は恋愛はコリゴリなんだ。そんな暇もないし」 「な、なるほど」
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