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「わ、わかった……」
「じゃあ、昼休み、学食で」
が、学食ぅ〜⁈
もうすでに十分、朝から注目を集めている気がするのに、まだアピールする必要が⁈
「田中くん? なに、その人」
つい文句を言いそうになったわたしの後ろから、誰かが田中くんに声をかけてきた。
い、市川さんだ。隣に友だちらしき女の子がもう一人いる。
「あ、おはよ。市川」
これまた田中くんはしれっとした表情で挨拶を返す。
「どういうこと? もしかして彼女と……」
「うん。付き合いだした」
「そんなの信じられるわけないじゃん。田中くん、この子のこと思いっきりバカにしてたよね?」
そうそう、出会いからして、まず、おかしいよね。それはわたしも思う。そこのところ、どう説明するつもりなんだろう。
でも隣にいる田中くんは怯むことなく
「いや、たしかに笑ったけど、面白い女だなって。俺に対して、あんなにズケズケ言ってくるのも初めてだし。次の日あらためて話したら、ますます気に入ってさ」なんて言い出した。
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