STEP6

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いやいやいや、そんなに深刻に取られると困る。全く遊びに行く時間がないわけじゃないのに。お金はないんだけど。 「そ、そっか〜。し、知らなかった」「だから、うちらが誘っても付き合い悪かったのか〜」「ごめんね〜、中村さん」「わたしも、誤解してた!」「そうそう、“見境なしの告白魔”とかなんとか言われてたけど、なんかの間違いじゃない?」「そうだよ。前、お弁当制服にこぼしちゃったときハンカチ貸してくれたし」「わたしも絆創膏もらったことがある。ありがと〜」 あ、あれ? 何やら風向きが……変わった? 「ありがとう、蓉子ちゃん」 なんだかわからないけど、とにかく蓉子ちゃんの言葉がきっかけではある。やっぱり蓉子ちゃんは頭がいい。 わたしじゃこんなふうにガラリとみんなの態度変えることは出来ないと思う。 「何言ってんの、あんたがいい子なのは本当のことだし」 そう言って微笑む蓉子ちゃんは、女のわたしから見てもかっこよくって、惚れてしまいそうだった。
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