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『もうちょっと持つ?』
「いや、大丈夫だよ」
職員室に向かいながら話す中で綺麗な笑顔で微笑む姿にこの人が誰か分かった。
茅原優李。僕と同じ2年生で確か王子様なんて呼ばれてた人。
『えっと、茅原くん?はどうしてさっき1組の教室に?』
「…僕のこと知ってくれてたんだ?嬉しいなぁ」
『笑顔が素敵な人ってみんな言ってたから』
教室などでのクラスメイトの会話の中で茅原さんの名前が上がった時に1番聞く言葉が「笑顔」だった。
「ふふ、ほんと?それだけで僕だって分かってくれたんだ」
ああ、やっぱ素敵だ。
僕の言葉に心底嬉しそうに笑うから、釣られて僕も笑ってしまう。
あれ、もしかして僕同学年の人とまともに話せたのってこれが初めてなのでは?
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