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『そうなの!優李すごく優しくてね、あとやっぱ笑顔が素敵!!』
今日のれーちゃんは電話越しからでも伝わってくるほど元気だ。もちろんそれはいいことだし、僕としても嬉しい。だけど、その理由が俺の把握してない野郎のことなのがムカつく。
わかってたつもりだ。学校に行くということは人と関わる機会だって増える。
だけど、
「やっぱ気に食わんなぁ」
『へ、なにが?』
「ん?ううん、ただの独り言」
でもお陰でこうしていつも以上に元気なれーちゃんが見れたし、少しくらいは我慢しよう。
別に僕はれーちゃんを縛りたいわけじゃないしね。
「でも、もしなにかトラブルがあったら、その時はわかるね?」
『…みーくん、やっぱりまだ僕が学園に通うの嫌?』
「そりゃあ、嫌だよ。僕はずっと反対してたし、それに男子校なんて。結局最後には木崎の野郎…木崎のやつが僕に隠して入学させたわけだし」
『でも、それは僕がお願いして…』
「そうだね。だから許してる」
れーちゃんが自分で考えてしたことなら僕はそれに従う。もちろん違うと思ったら言う時は言うけど、今回の件に関してはれーちゃんが決めるべきことだ。だから僕は反対はしたが応援していない訳では無い。
「れーちゃん、約束はちゃんと覚えてるよね?」
『約束?うん。どんなに仲良くなっても変なことされたら容赦なくぶっ飛ばす!でしょ?』
「うん違うね。もしれーちゃんに何かあったら大変だから、すぐ逃げて僕に連絡しようね」
『…僕結構強いよ?』
「でもそれとこれとは別」
小さい子に言い聞かせるように言えば、子供扱いしないで!と返ってくる。
「あははっ、だってれーちゃんが可愛いからつい」
『もう!僕たち同じ歳なのに。というか、りーくんの方が可愛いし』
なんて拗ねるように言い返してくるのでああやっぱり可愛いな、とくすくす笑いながら思う。
『笑わないでよ!』
うんこれは可愛すぎるりーちゃんが悪い。
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