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「おはよう。麗羅」
『優李!おはよう』
朝、廊下で見かけた麗羅に声をかければ、嬉しそうに顔をほころばせた。アーモンドのように大きく形の整った瞳が綺麗に細められ、頬をほんのり赤く染め、愛らしい桃色の唇は綺麗な笑みを浮かべる。
綺麗だ。
その一つ一つの変化がとても魅力的で惹かれた。
『優李?どうしたの?』
やばい、見すぎた。
「ううん。なんでもないよ」
見惚れててずっと固まったままの僕を不思議に思ったのか下から覗き込んでくる麗羅。身長の関係上、上目遣いでこちらを見つめてくる姿に思わずドキッとする。
さりげなく距離を取り、返事を返せば特に気にした様子もなく別の話に移る様子にほっと息を吐く。
『それでね?今日の数学、小テストあるのに昨日の夜勉強しないで寝ちゃって』
横を見れば、楽しそうに話す麗羅の姿が目に映る。途端に嬉しさが込み上げてきてずっと待ち望んでたこの光景を目に焼き付けるようにじっと見つめる。
あの時1組に行ってよかった。
ふと、そんな思いが頭によぎった。
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