惹かれる

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『はぁ…結局今日も一人』 入学式から1ヶ月。未だに友達出来てませんぼっちです。学校帰り、周りを見れば皆楽しそうに誰かと喋りながら下校している。 『なんでいつもこうなんだろう』 僕なりに頑張ったつもりだ。受け身でいちゃ不安なままだって思って積極的に声を掛けた。でも全然相手にして貰えなかったり、酷い場合は逃げられてしまう。 「せんぱーい!」 後ろからの聞き覚えのある元気な声に振り返り、軽く手を振る。 『霧矢くん、大丈夫?凄い汗かいてるけど』 相当急いできたのかな。ポケットからハンカチを取り出してそれを渡す。 「先輩!!!ありがとうございます!これはちゃんと洗って返しします!僕は大丈夫です!それより先輩!今日集まりの日ですよ!!」 『…え?』 集まり? 『それって、親衛隊の?』 「そうです!」 『今日って木曜日じゃなかったっけ?』 「金曜日です!」 『…ご、ごめんなさい!!』 驚きのあまり慌てて頭を下げる。 「ええ!?大丈夫ですよ先輩!顔上げてください!」 ああ、本当になんて良い後輩なんだと思わず泣きそうになりながら言われた通り顔を上げる。 『てっきり今日、木曜日かと思ってて…わざわざごめんね。迎えに来てくれてありがとう』 「え、曜日間違えてたの?…か、かわい」 『…霧矢くん?』 「なんでもないです!先輩、今から行けますか?」 『行けます!行かせてください』 そう言うとくすりと笑った霧矢くんは僕の手を掴んで校舎へ戻っていく。 『…霧矢くんって見た目可愛いのに行動かっこいいよね』 「うえ!?せ、先輩!急になんですか!」 すぐに顔を真っ赤にする様子にふふを笑ってしまう。 「何笑ってるんですか!」 ああやっぱり行動も可愛い。
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