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「上条!量多くて悪いがこれ、職員室まで頼めるか?」
『はい。大丈夫です』
「ありがとな!俺これから会議だから、運んだらそのまま置いててくれて構わない」
『分かりました』
図書室で勉強した際に毎日書いている日記帳を教室に忘れた事を思い出し、取りに行くと数学教師の切原先生と会った。
6限目のあともそのまま教室にいてノート点検してたからずっと居たのかな。
机からノートを取り出して鞄にしまい、教卓に向かう。僕がそうこうしている間に先生は会議へ向かったので今教室にいるのは僕一人だ。
「ねぇ」
『うえっ!?』
そう、一人だと思ってた。なのに突然誰かの声が聞こえ、よく分からない声を上げてしまう。
振り返れば、教室の入口で開いた扉に手をつけて立ってる生徒が居た。
なんだ、今来たのか。
「これ、一人で運ぶの?」
いつの間にか目の前まで来ていたその生徒が、教卓に置いてある恐らく2クラス分くらいの量のノートの束を指差す。
『うん?そうだよ』
「そっか」
よく分からないまま返事を返せば、当たり前のように半分以上の量を持ち上げた。
『え?』
「手伝うよ」
『え?…あ、ありがとう』
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