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隼の目が細められた。
「苦い」
そのまま僕たちは牛乳の話をした。
確か僕が、牛乳を入れるとそんなに苦くなくなるよとか、そのようなことを言った。
慌てていた。
隼との距離の取り方が分からなかった。
隼から戻ってきたコーヒーのカップに口を付けるときに震えてしまいそうになった。指と唇が。
「牛乳か。背を伸ばしたくて、がんばって散々飲んだ。白い感じの後味がさ、あんまり好きじゃないんだ」
隼は人懐こい笑顔で僕に語りかけた。
隼の背は僕と同じくらい、百八十センチ近くはあるだろう。
僕はどちらかというとひょろひょろと細長い。牛乳が足りなかったのだろうか。
隼は眠るかがりに口付けて起こした。
「不思議な味がしたわ」
かがりはうっとりした様子で隼の膝の上で身をよじった。
二、三度まばたきをしてから僕を見上げた。
「ユキの味だよ」
隼がかがりの唇を撫でた。右手の中指。
仙骨のあたりがぞわりとした。僕のものが撫でられたわけでもないのに。
「そうなの?」
「そうだよ。欲しい?」
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