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トイレの個室で、自分の下着に粘りを帯びた染みが出来ているのを認める。
目を背けたくなる。
隼の息遣いを、僕の髪に差し込まれる隼の手の感触を、興奮で震える鍛えられた大腿部の筋肉を。
目を閉じてそれらをなぞる。
自慰のとき、僕はかがりを思い出しさえしなかった。
僕は声を押し殺す。
僕に触れて欲しいと、押し殺しながら隼に懇願する。
決して言葉にすることが出来ない。
トイレの壁、水色の冷たいタイルが僕の頬を受け止める。
倉庫の中で、射精の瞬間に、隼は僕のことを考えない。きっと思い出しさえしない。
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