9.二十才 大学三年生 夏から秋

6/6

58人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
 真昼の愛人期間。  僕が達するとき、隼は必ず命じた。  隼の声は僕を従わせる。目を逸らすなと命じる。 「オレを見ろ。逃げるな。最後まで」  迫り上がってくる熱いかたまり。  容赦なく高められて散らばっていきそうな意識を必死に集める。  隼の目を見る。  隼の目が僕を貫いていく。僕は逃れられない。  逃れようとは思わない。
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加